ワルターのアソビもマジメ

マジメに遊ぼうな!!

ワルターの千一夜物語「山約束」

 

これは思い付きで始まった昔話シリーズです。

ストーリーはライブ感満載の内容なので、整合性が取れていないことが主です。

フィーリングで感じてもらえれば多分、それっぽいのかなと思います。感じて。

内容も、以前の日記で一緒にやってたヤツを持ってきているので、読まなくてもOK。

また、不定期更新な上、本人のヤル気が0に等しいので、期待しないでください。

ただただ淡々と上げていくだけなので、コメントとかしないで下さい。

多分、今の中学生の方がよっぽど素晴らしいお話を作れると思うのね。いろんな作品が溢れかえっていて、小さいころから慣れ親しんでいると思うから・・・。

 

 

 

 

 

むかし、むかし、とあるところの とある村に

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おじいさんとおばあさんが住んでいました。

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おじいさんとおばあさんは 裕福ではなかったですが2人で生活するだけのお金は持っていました。おじいさんは山へ狩りに出かけ、おばあさんは家で機織りをし、お金を稼いでいました。

 

ある日、いつもの様におじいさんが山へ狩りに出かけました。

「今日はいつもより多く捕れた。早くおばあさんにも見せてやろう」

 

そんなことを考えていたおじいさんですが、帰り道、変わった姿をした子供に話しかけられました。

 

「おじいさんは村の人ですか?」そうだよ、と答えると

「今は村にいかない方がいいですよ」と不気味なことを言われました。

 

変わった子だと不思議に思っていたおじいさんでしたが、子供の忠告を聞き入れず村へと進みます。

 

村へ近づくにつれ、なんだか変なにおいがしてきました。

「なんだこの臭いは」そう思ったおじいさんは少し早足で村へと進みます。

ようやく村に付いたおじいさんが目にしたものは・・・

 

 

 

 

なんと村が、自分の家がゴオゴオと燃えていたのです。

「わ、わしの家が燃えとる・・・」

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おじいさんは燃えている家の心配をよそにおばあさんの無事が気になります。「ばあさんはどこにおる・・・まさか家の中におるのではないのか・・・」

 

しかし、大火の中おじいさんは近くを探すこともままなりません。ですが辺りを見渡してもおばあさんの姿はありませんでした。

 

翌朝、なんとか鎮火し家へ近づいてみると、そこには黒い人影がありました・・・。

 

 

 

 

 

その影をようく見てみると、それはおばあさんでした。

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「おお、ばあさんや、ここにおったのか」おじいさんの呼びかけにおばあさんは、どうしてか答えません。

 

どうした事かと思ったおじいさんは、おばあさんの顔をよく見てみると、おばあさんは泣いていました。

「どうして・・・どうしてこんな事になったの・・・」

 

泣いているおばあさんの下へ近づいたおじいさんは

「ばあさんや、泣いていても仕方ない。家は燃えてしまったが、命は助かったのだ。今はそれだけでも喜ぼうじゃないか。」

 

それでもおばあさんは泣き止みません。しかし、どうして家が燃えてしまったのだろう。おじいさんはそのことだけが気になって仕方がありません。おばあさんが泣き止むまで待つことにしました。

 

「おじいさん、わたしがあんな事をしなければ、きっと・・・」

そうおばあさんが話し始めました。これは、今日の朝まで時間が遡ります。

 

 

 

 

 

 

「おじいさんが狩りに出かけた後、戸を叩く音がしたんです。どなたかと思い見てみると、それはそれは大きな狐だったんです。」

 

おばあさんはおじいさんが狩りに出かけた後の事を語ります。

それはそれは大きく、人の様に立ち歩く狐の姿でした。

 

「おばあさんや、この家に住まうおじいさんはおらんかね。」と狐が聞きます。

 

「いいえ、おじいさんは今、狩りに出かけていますよ。おじいさんに何か御用ですか?」

相手は大きな狐です。それも人の様に立ちふるいます。おばあさんは少し怖いなと思いながらも狐に話を聞きました。

 

「狐さんはおじいさんとどういったご関係なんですか。」

「おじいさんは私が捜している、とても重要な人なんです。おじいさんはあとどれくらいで帰ってきますか。」

 

おじいさんが狐にとって重要な人物だと聞いたおばあさんは、おじいさんが帰ってくるまで狐を家に招き入れました。

ですが、いくら時間がたっても帰ってきません。

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狐はすこしイライラしている様子でした。立ち上がって聞きます。

「おばあさん、本当におじいさんは帰ってくるんだろうな」

 

「きっと今日は大量なんでしょう。おじいさんは狩りの事になると、こういう時がありますからね。もうしばらくお待ちなさい。」

 

それからまた少して、狐が改めて聞きます。

「おい、本当に爺さんは帰ってくるんだろうな。まさか匿ってるわけじゃないだろうな。」

だんだんとイライラ強くなっているようで、おばあさんは怖くなってきました。

 

「遅い、遅い、遅い、このまま爺さんが帰ってこなければこんな家燃やしてやるからな。」突然、狐はおばあさんを脅します。

 

あまりの事に驚いたおばあさんですが、どうしてそんなにおじいさんにこだわるのか聞いてみました。

 

 

 

 

「なぜそんなにおじいさんに拘るかだと?」

狐はおばあさんにムッとしながら答えます。

 

「いいか、おじいさんもお前もこの俺の大切な子供を食っちまったんだ!」

「おじいさんが俺の子供を狩っちまわなければ今頃もっと楽しく暮らせていたんだよ!それを、それをお前たち人間が、おじいさんが全部壊したんだ!!」

狐は涙ながらにおばあさんへ言い放ちます。その涙からは怒りと悲しみ、憎しみ、虚しさをおばあさんは感じました。

 

「そ、そんな・・・。だけど、それじゃあおじいさんだけを責めるのは間違っているんじゃないのかい。狐の子供を食べてしまったのは私にも責任はある。だったらおじいさんだけでなく、この私も同じ─」

 

うるさいうるさいうるさい!確かにおばあさんも俺の子供を食っちまった。だけど、それ以上に子供を狩ったあのおじいさんが許せないのだ!!」

「さあ、おじいさんはまだか!もうこっちも待っていられないぞ!約束通りこの家を燃やしてやる!!」

狐は怒りに任せておばあさんに言います。おばあさんがいくら言おうともう、聞く耳を持ちません。

 

「や、やめておくれ。家を焼くのだけは・・・」

おばあさんの言葉も虚しく、家は狐に焼かれてしまいました。

 

 

───「そ、そんなことがあったのか・・。」

おばあさんが涙ながらに話した内容に、おじいさんはふつふつと怒りが湧いてきます。

 

「確かに狐の子供を食ってしまったのは悪かった。だがしかし、狐の子供でもなんでもワシらは食べねば生きてはいけん。それが山で暮らすということじゃ。」

「それに、生活のためにも狩りは必要。狩らなければこれも食わぬと同じように生きてはいけん。

おじいさんはある決心をします。

 

「ワシは決めたぞ。狐を懲らしめてやる。確かに狐の子供を食っちまった罪はある、じゃがそれ以上に家を焼き、おばあさんを泣かせた事は絶対に許してはおけん。」

おじいさんも怒りと憎しみを持って狐に立ち向かうことを決めました。

 

「確かこの辺に・・・」

おじいさんは家から少し離れた小屋へ向かいます。そこには、いつか使うかもしれないと思い、山の下の町で買った新しい銃が置いてありました。

 

「お、おじいさん、本気ですか。やめてください。もし、おじいさんの身に何かあれば私はもう生きてはいけない・・・。」

おばあさんのお願いもおじいさんの怒りには届きませんでした。

 

「ばあさんや、ワシは必ず戻って来る。約束じゃ。山約束じゃ。じゃから、帰ってくるときには温かい汁を用意しておいてくれ。」

そういっておじいさんは一人、狐の下へ向かうのでした。

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おばあさんの涙を振り切り、必ず戻ってくると約束したおじいさん。ですが、おじいさんは狐がどこにいるのかわかりませんでした。

「ううむ、狐の住処がわからぬ・・・。しかし、ここで立ち止まってしまうわけにもいかぬ。途中で誰かに話でも聞いてみようかの。」

 

 

そういって当てもなく先へ進んでいると、おじいさんの目の前に見覚えのある子供が現れ、こう言いました。

「おじいさん、おじいさんはもしかして狐の所へ行こうとしてるんじゃない?」

 

ビックリしたおじいさんは、子供にどうしてわかったのか聞いてみると、

「僕は何でも知っているんだよ。おじいさんが何をしたいのかも、狐のすみかも。」

 

おじいさんは狐のすみかを知らないので、子供の事を怪しいとは思いつつも連れて行ってもらうことにしました。

 

「狐のすみかを知っているのか。う、うーむ、そ、それじゃあ狐の所まで案内してもらえるか。あ、だけど君のご家族には許可を取らないとな。」

 

おじいさんは子供の家族について話し出しましたが、子供は少し、嫌そうな顔をしてうつむいてしまったので、これ以上は聞いてはいけない、そう思い口を閉じてしまいました。

「そ、そうか・・・ま、まあ君がいいならこれ以上は聞かないでおこう。」

 

「それで、狐のすみかはどこにあるんだい?」

おじいさんが聞くと、子供は顔を上げ、教えてくれました。

「狐はあの一番大きな山の上にいるよ。でも、あの山までは少し遠いんだ。」

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あの山に狐がいる。そう思ったとき、おじいさんの中にある怒りの炎がまた大きく燃え上がります。狐は絶対に許してはおけん、そう誓い、おじいさんは子供とともに山へと向かいます───